自己集合性分子システム
研究テーマと特徴
- 金属配位を駆動力とする物質の自己集合構築で世界をリード
- 自己集合で、機能創出場となるナノ空間の自在構築を達成
- 結晶化を必要としないX線構造解析手法「結晶スポンジ法」を創出
生体系では、弱い結合力に誘起され、DNA二重らせんやタンパクの高次構造など、複雑でかつ高度な機能をもった分子の集合体が自発的に生成します。このような自然界における自己集合現象は、20世紀の終盤に人工的なものづくりを担う化学の分野で明確な物質創成の新しい概念になり始めました。こうした背景の中で、我々のグループは、自己集合の駆動力として配位結合の活用にいち早く取り組み、その有効性を示すことで、物質化学の新しい潮流を築いてきました。本研究室ではこのような自己集合のしくみに基づき、機能的な構造体や空間を自発的に構築する研究に取り組んでいます。
正方形錯体
配位結合を活用して、機能的なナノ構造(中空構造)を自己集合構築した最初の例。中空場構築手法の主流となる。
ナノスケール巨大中空錯体
144成分から自己集合する巨大中空錯体。内部でタンパク機能制御やナノ粒子精密合成を達成。
結晶スポンジ法
スポンジのように有機化合物を吸収する結晶性空間材料を開発。革新分子構造解析「結晶スポンジ法」に展開。産業界活用へ。
国際的評価
ナノスケール物質構築を先導する数々の新概念新手法の創出が、大きな国際賞の受賞につながった。